私が男の子だったら

38
0
0
0

pakutoma

pakutoma (pakutoma)


「ゆかりさんゆかりさん。ゆかりさんは、私が男の子だったとしても私と付き合ってたと思いますか?」
あかりが、また脈絡のない話を振ってきた。
今の今まで、今日のお昼ご飯の献立は中華か洋食かなんて議題で真剣に悩んでいたのに、この子は。天然というよりは、きっと頭の回転が独特なのだと思う。
「あかりが男の子かあ、きっと可愛い子なんだろうね」
「可愛い男の子、ゆかりさんは好きですか?」
「どうだろう。可愛い、とは思えるだろうけど。恋愛対象としては、正直微妙かな」
「そうですか、そうですよねえ」
あかりが少し考え込むような顔をする。
私は「あかりは女の子なのだし、そんなに気にすることでもないんじゃない?」と思ってしまうけれど、私よりもずっと運命なんてものを信じる彼女にとっては気になるのかもしれない。
むー、と可愛らしい顔で考え込むあかりを眺めるのも良いけれど、ここは少し譲歩してあげることにする。
「でも、その可愛い男の子があかりだったら、きっと恋に落ちてしまうと思うよ」
またたく間に満面の笑みを浮かべる彼女の頬にキスをしながら、
「私が男の子だったら良かったのにね」
なんてことを、また考えてしまう。
私も運命を信じたら、こんな考えはなくなるのだろうか。
男装をした私に一目惚れした彼女が、女性の私のことを好いてくれるのかなんて不安も、なくなってくれるだろうか。

削除する

一度削除した作品は復元することはできません。本当に削除してもよろしいですか?