kbs32に寄せて

pakutoma
Author:
pakutoma @pakutoma
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「あ、kbs32リリースしてますね」

相変わらず業務時間中にネットを見ていたらしい彼女が、ぼそっとつぶやいた。

「本当?あっ、ロゴ変わってる。投稿も消えてる」

トラックパッドを4本指でなぞり、XcodeのStoryboardからSafariに画面を切り替えている私には、彼女の業務態度を責めることなどもちろん出来ない。

「残念です。私あの作品好きだったのになぁ」

「読み上げて私を弄るためにでしょ?」

「そんなことないですよ〜」

「ウソだー。まあ、また何か書くから読んでよ」

「え、書くんですか?いついつ?」

「そのうちね、そのうち」

そのうちっていつですか〜とボヤきながら彼女は画面に目を戻し、ペンタブの先をくるくると空に描いてなにやら悩む仕草をする。

仕事に戻ったらしい彼女の長いまつ毛をぼんやりと見つめている自分に気づいた私も、誤魔化すようにエスプレッソを飲んでXcodeに画面を戻す。

私の小さなアプリ制作会社には、今日も私と彼女しかいない。

私の想いが彼女に伝わってしまうまで、どうかこの幸せな日々が続きますように。